ドッグフードごとに最適な保存方法は変わってきます。
あなたはどのようにドッグフードを保存しているでしょうか?
飼い主さんの中で「ドッグフードは加工されているから保存については特に気にしていない」という方も少なくないです。
ドッグフードは油脂や脂肪を含んでいるため、保存方法には注意を払う必要があります。
今回はドッグフードの適切な保存方法をまとめました。
このほかにも保存容器を選ぶときのポイント、保存についてよくある質問についても解説していますので、ぜひ参考にされてくださいね。
ドッグフードの保存方法に気をつけなければいけない理由
ドッグフードをどのように保存するかについて、なぜ注意が必要なのでしょうか?
その理由は、ドッグフードに含有されている油脂や脂肪が酸素にふれることでだんだんと酸化していき、そのうち過酸化脂質になってしまうためです。
過酸化脂質をたくさん摂取してしまうと、
- 動脈硬化
- 心筋梗塞
- 体の老化
- 皮膚炎
- がん
- 認知症
などになりやすくなってしまうと言われています。
つまり脂肪などが酸化したドッグフードを日常的に食べてしまうことは、犬の体にとってデメリットしかなく、病気にかかりやすい状態になってしまいます。
以上がドッグフードの保存方法を気をつけるべき理由でしたので、これから紹介する保存方法を実践してみてくださいね。
ドッグフードのタイプ別の適切な保存方法
ドッグフードには大きく分けて3種類ありますので、種類によって保存方法がかわってきます。
それぞれに合った保存方法をすることで酸化や劣化を少しでも防いでいきましょう。
さっそくドッグフードのタイプ別に保存方法を解説していきますね。
タイプ別保存方法①ドライフード
ドライフードは水分が12%以下で少ないため、開封したあとも保存しやすいです。
とはいえ袋を開けたときから空気にさらされるので、少しずつ風味が劣ったり、脂質が酸化したりしていきます。
その上ごはんをあげる度に袋を開けて空気に触れることで、余計にドッグフードが酸化していってしまいます。
多くのドライフードは酸化防止剤が使用されており、酸化や劣化を防いでいますが、その効果はある程度のところで落ちてきます。
そんなわけで、オススメの保存方法が2つあります。
- そのままフードストッカーに入れて保管
- 小分けに密閉して涼しいところで保管
いずれの保存方法にしても、ドッグフードを食べきる期間は、封を切った日から1ヵ月後までを基準にしましょう。
なかでも夏は気温も高く湿気も多いため、基準よりも早く使い終わるようにするのを強くオススメします。
1.そのままフードストッカーに入れて保管
まずはやり方を順番に説明します。
- 開封したドッグフードの袋から空気を抜きます
- フードクリップを使う、小袋であれば輪ゴムでとめるなどして密閉します
- 密閉させた袋ごとフードストッカーに入れます
(この時、一緒に乾燥剤も入れておくともっと劣化しにくくなりますね) - これを光が届きづらく涼しいところ(冷暗所)で保管します
ドッグフードを直接フードストッカーに入れることもできますが、衛生的に密閉させた袋ごとストッカーで保管した方がいいと考えています。
どこでフードストッカーを買えるかというと、ホームセンターやペットショップの他にも、楽天市場やAmazonなどのネットショップがあります。
蓋のところにパッキンがついているタイプのストッカーであればより密閉性がいいため推奨しています。
2.小分けに密閉して涼しいところで保管
小分けにするパターンのやり方を順番に説明します。
- 開封したドッグフードを1食分ずつチャックがついた袋に入れます
- 乾燥剤も同封します
- 空気を抜いてからチャックを閉めます
- 太陽光が届きづらく暗くて涼しいところに保管します
大切なのは真空状態に近づけて劣化を防ぐことです。
より空気に触れないようにするためには、真空パック器を使って真空にするのをオススメします。
ちなみに真空パック器は1万円以内で買えるものが多々ありますので、チェックしてみてくださいね。
暗くて涼しいところで保管と書きましたが、冷蔵庫はさけましょう。
なぜならドッグフードを取り出す時に結露してカビやすくなるためです。
ドライフードは、高温多湿をさけて、常温で保存しましょう。
タイプ別保存方法②半生ドッグフード
セミモイストやソフトドライなどのタイプのドッグフードは水分が25〜35%ほど含まれているので、ドライフードと比べると傷みやすいというデメリットがあります。
それを防ぐために、50g〜100gの小袋に分けられている半生のドッグフードが多いです。
その小袋毎に脱酸素材が入っているドッグフードもたくさんあります。
しかしながら、小袋であっても開封して1回であげ切らないこともあるでしょう。
その場合はフードを保存容器に入れ、冷蔵庫で保管してその日のうちにあげ切るようにしましょう。
開封していなくても酸化して過酸化脂質は増えていくため、冷暗所で保存するよう気をつけてくださいね。
タイプ別保存方法③ウェットフード
ウェットフードは、水分が75%程度のドッグフードのことをいい、水分がとても多いため封を開けた後は保存がききません。
開封前であれば半生フードやドライフードよりも品質の保持期間が長いですが、開封してしまうとどのフードよりも品質が落ち劣化するのが早いです。
そのため開封したら、他の容器に入れ密閉して冷蔵庫で保管し、1日以内に与えきるようにしてくださいね。
他のサイトでは2日以内と言っていることもありますが、1日以上になる場合は冷凍庫保管をしましょう。
ドッグフードの保存容器のチェックポイント
保存容器もいろいろありますよね。
ここでは保存容器のどのような点を見て選べばいいのかをご紹介していきます。
ぜひ参考にして適切な保存容器を選んでいただければと思います。
チェック①密閉性
ドッグフードを保存するときは、できる限り虫やほこり、湿気が入らないようにする必要があるため、密閉性が高い保存容器やフードストッカーを選ぶようにしましょう。
蓋のところにパッキンがついているタイプは、外気が入りにくく密閉性がいいのでオススメです。
より酸素と触れにくくするには、真空にできるタイプの保存容器もあり、ボタンを押したり、ノブを回したりすることで簡単に真空状態にできるので検討してみてくださいね。
チェック②容量
実際にペットショップやホームセンターで購入するのであれば、容量がわかりやすいですが、Amazonや楽天市場などのネットショップで買う場合は、容量をしっかりチェックしましょう。
小さすぎると全部入りきらず意味がないですし、大きすぎると容器に入る空気が多くなって劣化が早まるため、オススメしません。
いつものドッグフードの容量はどのくらいか確かめて、適切な容量の保存容器を選びましょう。
チェック③使いやすいさ
ドッグフードを1日2回以上あげる飼い主さんが多いかと思いますが、毎日の繰りかえし作業になるので、保存容器の使いやすさ、フードの取りだしやすさは重要になってきます。
チェックするポイントとしては下記があります。
- 取りだすときに手がひっかからないか?
- 蓋は外れるタイプなのか?
- 蓋は開閉がしやすいか?
- 容器の高さは高すぎないか?
直接ドッグフードをお皿に入れるタイプの保存容器については、注ぎ口のサイズをチェックしましょう。
詰まってなかなか出てこなくても、一気に出すぎてしまってもストレスになりますよね。
ドッグフードの大きさを考えて、適切な注ぎ口のサイズの容器を選びましょう。
スコップやカップなどが仕舞うところがある容器だと、手の雑菌がドッグフードにつきにくくてオススメです。
チェック④お手入れのしやすさ
お手入れがしやすいかどうかを、買う前に考えてみましょう。
洗うとき、乾かすときなどお手入れするところをシミュレーションしてみるといいでしょう。
複雑な構造になっていたり、凹凸があったりするとお手入れがしにくいため、シンプルな形の容器がオススメです。
サイズが大きすぎると、洗い場に入らないなどでお手入れしにくいことがあるので気をつけてくださいね。
ドッグフードの保存についてのQ&A
ドッグフードに関してさまざまな疑問も生まれると思います。
例えば、
- ふやかしたフードを保存できるの?
- 開封後の保存期間はどのくらい?
- 夏の間のドッグフードの保存方法はどうしたらいい?
などです。
順番に解説していきます。
ドッグフードをふやかした場合の保存方法は?
先に結論をお伝えすると、ふやかしたドッグフードは保存をしないで、捨てるようにしましょう。
なぜならふやかしたドッグフードは腐敗しやすいためです。
一度ふやかしたドッグフードは、すぐに食べないようであれば破棄してくださいね。
特に食べかけの場合は、雑菌が増殖してしまうので次のごはんまで持ちこさないようにしましょう。
ドッグフードをペットボトルで保存する方法は?
水が入っていたペットボトルで直接口をつけていなければ、ペットボトルをよく乾かした上でドライフードを保存することは可能です。
しかしながら、口をつけたペットボトルに保存するのはオススメしません。
なぜなら口を直接つけたペットボトルは、水洗いしたとしても入り込んだ細菌を洗い流しきれず不衛生だからです。
また水以外のジュースやコーヒーなどの飲み物が入っていたペットボトルに保存するのもオススメしていません。
その理由は、水以外の飲み物が入っていたペットボトルには、その飲み物の匂いがうつってしまい、さらにはドッグフードにまでうつってしまう可能性があるためです。
「水が入っていたペットボトルで直接口をつけていなければ保存は可能」と伝えましたが、ペットボトルはよく乾かないこともあると思いますので、その際はフードストッカーに保存することをオススメします。
大容量のドッグフードの保存方法は?
大型犬や複数の犬がいる場合は、ドッグフードを使い切るのがはやいため、大容量のドッグフードを買っても長期保存にならないでしょう。
ところが、小型犬やあまりごはんを食べない犬の場合は、大容量のドッグフードを買ってしまうと、開封したあと使い切るまでに長期保存になってドッグフードの劣化が進んでしまいます。
そのため割安であったとしても、消費量に合わない大容量のドッグフードの購入は避けてくださいね。
ドッグフードは封を開けてしまうと、空気に触れてだんだん酸化したり風味が落ちたりしてしまいます。
ホームセンターやディスカウントショップに売っている大容量のドッグフードがお得であると知ると、つい愛犬に見合わない量を買ってしまう飼い主さんもいます。
割安に惹かれて買いたくなる気持ちはわかりますが、愛犬の健康や動物病院にかかる費用を考えて、消費量に合わせたドッグフードの量を買うようにしましょう。
大容量ではなく、1kg、2kgなどの容量のドッグフードをまとめ買いすることで安くなるサービスなどがあればそちらを利用してみるといいでしょう。
開封した後のドッグフードの保存期間はどのくらい?
開封後の保存できる期間は、
- ドライフード:1ヶ月以内(冷暗所で保存)
- 半生フード:2週間以内(冷蔵庫で保存)
- ウェットフード:1日以内(冷蔵庫で保存)
となっています。
水分を多く含んでいるドッグフードほど腐敗がはやいです。
開封してから日が浅いほど、劣化や酸化がすすまないので、できるだけ早めに使い切りましょう。
夏のドッグフードの保存方法は?
夏は、気温も湿度も高いため、開封したドッグフードはすぐに酸化・劣化がすすんだり、カビたりしてしまいます。
キッチンや窓際などの暑くなりやすい場所での保存はせずに、上の方でご紹介した保存方法をふまえてドッグフードの種別にあった保管をしてくださいね。
夏の間のドッグフードは、前項でご説明した期間よりも早めに使い切るように心がけていただければと思います。
まとめ
酸化防止剤、防かび剤、合成保存料などが入っているドッグフードは、長めの賞味期限で保存がしやすいです。
このようなドッグフードはホームセンターやスーパーで安く購入できますが、犬の健康にとって悪影響になるものもあります。
一方で、合成添加物が入っていないドッグフードは、短い賞味期限だったり、酸化で過酸化脂質が増えやすかったりします。
しかし、犬の健康を考えると合成添加物が入っていないドッグフードを選びたいところですね。
無添加ドッグフードであっても、今回ご紹介した方法で保存すれば、劣化が少ない状態で愛犬にあげることができるでしょう。